24 就業規則の作成・変更・届出の義務

(法第89条、第90条、92条)

常時10人以上の労働者を使用している事業場では就業規則を作成し、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合、そうした労働組合がない場合には労働者の過半数を代表する者の意見書を添えて、所轄の労働基準監督署長に届け出なければなりません。
また、変更の場合も同様にしてください。
就業規則は労働基準法等の関係法令、または労働協約に反してはいけません。

1.必ず記載しなければならない事項
(1)始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに交替制の場合には就業時転換に関する事項
(2)賃金の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払いの時期並びに昇給に関する事項
(3)退職に関する事項

2.定めをする場合は記載しなければならない事項
(1)退職手当に関する事項
(2)手当・賞与・最低賃金額について定める場合には、これに関する事項
(3)食費・作業用品等を負担させる場合には、これに関する事項
(4)安全・衛生に関する事項について定める場合には、これに関する事項
(5)職業訓練に関する事項について定める場合には、これに関する事項
(6)災害補償・業務外の傷病扶助について定める場合には、これに関する事項
(7)表彰・制裁について定める場合には、これに関する事項
(8)上記のほか、当該事業場の全労働者に適用される事項について定める場合には、これに関する事項

3.任意に記載してよい事項
 上記2事項のほか就業規則の総則的事項等、使用者が自由に記載する事項

4.就業規則の別規定
 どの事項についても、別に規則を定めることができます。


 

25 制裁規定の制限

(法第91条)
就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超えることはできません。また、1賃金支払期に数回の違反行為があっても、その減給の総額は、1賃金支払期に支払われる賃金の10分の1以内でなければなりません。


 

26 法令等の周知義務

(法第106条、施行規則第52条の2)
使用者に対し、労働基準法及び同法に基づく命令の要旨、就業規則、法に基づく労使協定及び裁量労働制にかかる委員会の決議内容を労働者に周知する義務が課されています。
周知方法については、施行規則第52条の2により、次の方法が示されています。

[1]常時各作業場の見やすい場所に掲示し、または備え付ける方法
[2]労働者に書面を交付する方法
[3]磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者がその記録の内容を常時確認できる機器を設置する方法


 

27 労使協定等の労働者の過半数代表者の選出

(施行規則第6条の2)
労使協定の労働者側の締結当事者は、その事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合(過半数労働組合)がある場合には、その労働組合となります。
過半数労働組合がない場合に限り、労働者の過半数を代表する者(「過半数代表者」)が締結当事者となります。

1 管理監督者でないこと及び投票などで選出されることが条件
過半数労働組合がない事業場における「過半数代表者」は、次のア及びイのいずれにも該当する者でなければいけません。
ア)法第41条第2号の監督または管理の地位にある者でないこと
イ)法に規定する労使協定の締結などを行う者を選出することを明確にして実施される投票、挙手などの方法による手続により、選出された者であること

2 過半数代表者の不利益取扱いを禁止
労働者が過半数代表者であること、過半数代表者になろうとしたこと、過半数代表者として正当な行為をしたことなどを理由として解雇、賃金の減額、降格等労働条件について不利益な取扱いをすることも禁止されています。(施行規則第6条の2)

過半数代表者としての正当な行為には、法に基づく労使協定の締結の拒否、1年単位の変形労働時間制の労働日ごとの労働時間についての不同意等も含まれます。

こうした条件は、労働基準法で定めるすべての労使協定や就業規則作成・変更時の意見聴取等において、過半数代表者を選出する場合に適用されます。